ガキの頃からデニムが好きだった。
中学までは全く洋服に興味がなく、母親の買ってくる服をただ着ていた。
中学生になり、カッコつけはじめた頃に父が穿き潰したBIG-JOHNのデニムを貰い、それを穿いていた時に友人に褒められたのが好きになったキッカケだと思う。
デニムに関しては全くデニムに興味がない人間が適当に穿き潰すのが1番カッコよくなると思っている。
洋服を好きになると本当の意味で適当に服を着ることが非常に難しくなるため、自然な色落ちはハードルが高い。
しかし33になった今、デニムは大切ではあるがただの服として着るスキルがついてきた手応えがあり、近年穿き潰したデニムはなかなか良い色落ちになっている。
計算のない色落ちは美しい。
ここまで来るのに18年くらいかかったが、この先は自分とデニムについての事柄を書いていく。
14歳の時に初めて買った本格的なデニムはEVISUのNo2の2000。
当時は嬉しさのあまり寝る時も着用していた。高校卒業くらいまで穿いていたと思うが、青春時代のイカ臭い色落ちになった記憶があり既に処分済。
通っていた高校は制服がなく私服だった。
中学から洋服が好きだったので、私服通学だからと言う理由のみで選んだ高校である。
やたらHIPHOP文化の根付いた高校であったため、高校時代はPrps、Nudie Jeansなど海外ラッパーの着用していたデニムブランドに傾倒した。
当時代官山にSTADIUMというセレクトショップがあり、当時B-BOYの間では最高にイケている店の1つだったと思う。
そこで働いていたラッパーのY'Sさんのファッションに影響を受け、彼のよく穿いていたPrpsはバイト代で頑張って4本くらい買った。
通称「アナル穿き」と自分は呼んでいたが、ケツまでジーンズをズリ下げて穿いていた。絶妙なルーズ具合が当時の自分の目には最高にカッコよく映っていたのである。
その後、某服飾専門学校に進むことになるが、
当時は金がなかったので手持ちの服を売り、その売ったお金とバイト代を足してまた服を買うサイクルを高校から5年程繰り返していた。
その中でふと、手放さない服があることに気づいた。
B-BOYはFRESH至上主義な部分があり、最新のHIPHOPファッションに身を包んでいることが最高にクールだという価値観があった。
FRESHであるということは今の自分の中でもカッコイイ価値観であることに変わりはないが、最新の服を着まくるという誰にでも出来る浅はか極まりない行動、及び当時自分のスタンスがただの流行を追っているだけのいかにも日本人然としたワナビーと薄々自覚していたこともあり、上記の気づきは自分が本当に好きな服は何なのかを考えるキッカケになった。
手放すことのなかった服の中にRRLとA.P.Cが何着かあった。
当時の自分はSupreme周りのブランドを好んで着ていたが、それらはリセール価格もよく、モノによっては現在のように利益が出たので買ってしばらく着ては金になるうちに手放していた。
それらは自分にとって手放しても惜しくない服であった。
だがその手放す前提のようなスタンスにダサさを感じていたこともあり、結果的に残った服が本当の自分の好みなのでは?と気づきはじめてから洋服との付き合い方が変わりはじめた。
長ったらしく書いたが、上記の出来事以降も買っては手放してを繰り返し、試着を含めると数えきれない程のデニムを穿いてきたと思う。
現在はリジットから穿いているデニムを20本程所持している。
その中でリジッドデニムの完成度が高いな、と思うデニムブランドをザッと書く。
・HELMUT LANG 92
・RRL 89
・Rag&Bone 87
・A.P.C 85
・Valentino 84
右の数字はウイイレの能力値のようなモノだと思ってもらえると(笑)
そして気づいてもらえるだろうが、いわゆるレプリカブランドには興味がなく、
ビンテージ寄りの色落ちは求めていない。
また数字はあくまでリジッドの状態での個人的な点数であり、
その期間は非常に短いという点も付け加えておく。
リジッドはスニーカーでいうエアフォース1の白みたいなもので、新品が1番カッコ良く、ある種の贅沢品と思っている。
HELMUT LANGを除き、多数のモデルをどのブランドもリリースしているので、各ブランドについてはいつか個別に記事にしていこうと思う。
現在はラングラーのW14 CAという謎のフレアデニムが一番気に入っている。
(USA製で恐らく80年代のもの。1年くらい前にヤフオクでデッドを8000円くらいで買った。アラート登録しているが1度も通知なし)
ビンテージに関しては同じ物を入手する事が非常に難しいことから、上記のブランドからは除いた。
最後になるが、自分はリサイクルショップ巡りが趣味でありライフワークでもあるため、ほとんどのデニムは定価の1/10くらいで入手している。
「とんでもない安値で最高のデニムを手にする」
これがデニムを適当に穿いて良い色落ちにする1番のミソと今は考えている。